2017/07123456789101112131415161718192021222324252627282930312017/09

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
こんちぱ!プロシアです!

GEの思い出を探しにPCを探していたら
数年前に書き出していたGE妄想ストーリーが見つかったので、
記録としてUPするのだ!

では、はじまりはじまり~
【サヴォイア家 中庭】
「ハァッ!タァーッ!」
「ダメダメダメ!そんな構えじゃ敵からの攻撃を避けることなんてできやしないわ!」
「もっとこう沈んで・・・」
「う、ううっ これは脚がキツイよ リサさん・・・」
ビキが短剣を手にしている、護身用として習得しようとコインブラのリサを招き、指導を受けている

そんな練習風景を見つめるカイハーンと少年、その少年にカイハーンが話しかける
「あなたの夢は?」
「僕の夢ですか?・・・モジモジ」
「僕の夢は・・・孤児の僕を拾ってくれた貴女の盾になり、護ることです!」
そう話すと共に跪き、頭を垂れるシンノンシュ
「まぁ、それは将来が楽しみですわ」
「期待してますわよ 小さな騎士様 ウフフ」

【数ヶ月後 ビキ書斎】
「凍てつく平原に駐留している他党からの情報によると、アバランチェレブナントによる被害が甚大なようなんだ」
「で、そこで急で悪いけど君には現地へ向かってもらい駐留家門と協力し、討伐してもらいたい」
「生憎、他家門は大規模開拓に向かっていて、君一人での行動になるが我慢してほしい」
「本来であれば、カイを同行させたいのだけど女性エレメンタラー特有の時期でね。無理なんだ」
そう声を掛けられた少年は初の任務で不安がいっぱいであったが、憧れであった開拓者としての第一歩を踏み出せるとあり、元気よく答えた。
「いいえ、大丈夫です!」
「初任務としては厳しいだろうけど頑張って欲しい」
「はい!」
翌日の出発時には党首ビキとカイハーンが見送りに来てくれていた。
カイハーンが少年の小さな両手を手に取り、心配そうに言った。
「開拓者とはいえ、死ぬことで一流になった者はいませんわ。何があっても冷静に、必ず生き延びるのですよ」
少年はカイハーンの言葉に黙って頷きながら、心の中でこう思った
"僕は一流になんてならなくてもいい、この女性を守る騎士になるんだ!だからその為に生き延びるんだ!"

【凍てつく雪原 駐屯地】
駐屯地入り口の見張りを交替した少年は座りながら、鍋を温めている炎をぼんやりしながら眺めている
少し身体も暖まり、ウトウトし始めたころ、大きな叫び声が耳にはいった
「ア、アバランチェが来たぞーー!」
「動ける者は応援にきてくれっ!!」
その叫び声に反応し、シンノンシュはロザリオを手にして走り出す
だが現場に駆け付けた時には大量の死体、
その死体の上をアバランチェが通り、体内に取り込んでいる
そのことにより、蘇生も出来ず、応戦出来る人間も減り、戦局は非常に不利になってきた
倒れている開拓者に治療を行おうと、シンノンシュが駆け寄り、別の場所に移動させようとした瞬間
背後から、異臭と自分が隠れるほどの大きな影
「(;゜ロ゜)ハッ」
"ダメだっ、間に合わない"
"カイハーンさん、約束を守れなかった・・・ごめんなさい"

【サヴォイア家 ビキ寝室】
"カイハーンさん、約束を守れなかった・・・ごめんなさい"
目を覚ますカイハーン
自分にかけられた言葉に目を覚ますが、周りには誰もいない
寝室には自分を含め、ビキと二人の子供だけ
ビキは寝相悪く隣で寝ている
子供達もすやすや眠っている
そのまま眠れず朝を迎える

【サヴォイア家 食堂】
遠征から戻ってきている家門と共に朝食をとる
「帰ってきたばかりで悪いんだけど、シンノンシュが一人で雪原で作戦をしているんだ。」
「今回は僕も合流するからよろしく頼みます」
「連チャンだろうが、それが俺たちの仕事だから任せてくださいよ」
そのやり取りを聞いていたカイハーンだったが、言葉を発さず、紅茶を飲んでいる
そこにエミリアが駆け込んできた
「た、大変です!雪原の駐屯地が全滅!その上、誰一人姿が見えないそうです!」
手にしていたカップを落とすカイハーン
昨夜の言葉が思い出された
"やはりあれはあのシンノンシュの・・・"

【凍てつく平原 駐屯地】
ミャー軍団を先頭にビンセント、ビキ、カイハーンが慣れない雪道を足早に進んでいる
半日ほど歩いただろうか、駐屯地に到着したビキの顔がみるみる青ざめていった。
少年を心配し、無理に同行したカイハーンも言葉が出ず、何かを探すように辺りを見ている
「な・・・なんだ?この在り様は・・・?」
「誰かいないのかーー!?」
駐屯地には人っ子一人みあたらない 惨状と呼ぶにはあまりにも静寂な空気が流れていたのである
「ビキさん、逃げ延びた誰かが近くで隠れてるかもしれないんで、調べてきます」
「お願いします」
他家門が捜索に向かおうと駐屯地を出てすぐ、声を発する
「あいつだ!アバランチェがいたぞ!」
駐屯地内の全ての家門が戦闘態勢でアバランチェと対峙する
今にも戦闘が始まろうとした時、カイハーンが叫ぶ
「あ、あれはっ!?」
「みんな、攻撃を止めてッ!」
アバランチェの体表に蠢く死者の亡骸の中に、シンノンシュの姿があった
目を開けるシンノンシュ
「ううぅ・・・ぼくは・・・?」
アバランチェに吸収されていることに気づくのに時間はかからなかった
だが、そのことにより攻撃できずに防戦に回っている開拓者の存在にも気づいたのであった
戦況を見つめていたカイハーンは同行しているヴィンセントに質問をする
「あの子をアバランチェから救出する方法はないの?」
「もう手遅れだぜ。あいつァ既に奴の一部になっちまった。『生きて』りゃ分離出来たけどな」
「早いとこ楽にしてやった方がアイツの為だぜ」
「えっ?あの子が死んでると言うの?悪い冗談はやめなさい。現にあのように動いてるじゃない!」
「そ、そうだよ カイの言うとおりだよ!あの子は生きてるよ!」
ビキも食い下がるが、ヴィンセントは目の前の死に魅了されたように微笑を浮かべるだけだった。
 
自分の存在がアバラチェへの攻撃が出来ない理由だと理解したシンノンシュは
徐々に薄れてく意識の中で考えた
そして導き出された答えを大声で伝えた
「ぼ、僕の事は気にしないでこいつを・・・・倒してください!!」
「僕の意識がなくなり、僕が僕で無くなる前に・・・・人間としてこのまま死なせてください!」
「何を言ってるの!少しの我慢よ!私があなたを助けだしてあげるから!」
その声を聞いたシンノンシュは満足ではあるが悲しげな表情を浮かべながら声の主に話す
「ありが・・と・・・・う・・・ 約束・・・も・・・れ・・・な  ご・・・んね・・・」
「早く教えて!ヴィンセント!あの子を助ける方法を!」
「無駄だって言ってんだろ!分かんねえのかよ?あいつァ、とっくに自分が『死んで』ンのが理解出来てないんだよ」
「アルモニアの文献で読んだことがある。あのアバランチェって奴ァ、『死んで』しまったヤツを片っ端から取り込むって話だ。という事は、分かるだろ?」
「そ、そんな・・・・」
「ああなっちまったら、アイツごとアバランチェを冥府に送り返すしか無ェんだ。アンタ達がアイツを大事に
思ってンなら、楽にしてやった方が屍人になったアイツの為なんだよ」

アバランチェからの攻撃を防いでいた家門が徐々に押され始めている
「ビキ どうすれば・・・・?」
「やむ得ない・・・」
「全員に告ぐ、全力でアバランチェを攻撃!撃破しろっ!」
「ビキ!!!!!!?」
「カイ・・・君の苦しみは僕にもわかる。彼をあのような姿にしたのは僕の責任でもあるんだから」
「だが、僕も党首なんだ、このまま全滅させるわけにはいかないんだ!」
自分だけではなく、ビキの苦しみを理解したカイハーンは何も言えなくなってしまった
カイハーンがビキに背を向け、頬を流れる涙を拭っている
背後では他家門の雄叫びと、アバランチェの断末魔の咆哮が聞こえた
カイハーンにはその中から確かにシンノンシュの声が聞こえた
"ありがとう"

崩れ落ちるアバランチェに向かって走り出す ビキとカイハーン
倒れたアバランチェから解放された開拓民や住民の魂が解放されて天に昇っていくのがわかった
中には現世に未練があるのか、昇華できずにその場に残るのも見受けた

その様子を見ていたビンセントは、さきほどの死に魅了されたような表情ではなく、崇高なる魂に敬意を表すかのごとく胸に手をあて、祈りをささげていた
"あんたたち、あの世で面白おかしく過ごしてくれ"

全て昇華されたあとに残されたシンノンシュの身体
期待を胸にカイハーンとビキが駆け寄る
シンノンシュを優しく抱き起すカイハーン
うっすらと目を開けるシンノンシュ
「ぼ・・・僕・・・」
何か言わんとする口を軽く指で塞ぎ、カイハーンがいう
「もういいのよ、何も心配はいらないわ」

なんとその時、背後でビンセントが呪文を唱えてるではないか
「森羅万象、全ての在るものよ、無と還れ・・・・」
驚くカイハーンとビキ
詠唱を止めようとビキがビンセントに体当たりするがビンセントは詠唱を止めない
「ビンセント!何をするの!詠唱を止めなさい!」
カイハーンの怒りに呼応してジズが怪しく光りだす
危険を察知したビンセントは舌打ちをしながら詠唱を止め語気を強めながら言った
「さっきも言ったが、そいつは『死んだ』ことに気づいてないんだヨ!」
「このままじゃ、魂が現世に残り昇華も出来ず、永遠に留まることになるけどいいのか!?」
「あんたらが慈悲の心がこいつの魂を苦しめるんだぜ、俺の邪魔をするんじゃねぇ!」
と、言い終わると再び詠唱に入った

ビンセントの言葉でカイハーンは理解した いや 認めたのであろう
シンノンシュ自らが『死んだ』ことを理解していないだけではなく、
ビキやカイハーンもシンノンシュの『死』をあえて認めないようにしていたことを

「・・・・浄化の闇の炎、来たれ!」
ビンセントの詠唱が終わり、地面に浮き上がった魔法陣から黒き炎が湧き出てシンノンシュを飲み込んだ
黒き炎の中でシンノンシュの身体が光の粒子となり、ビキとカイハーンの周りを一回りしたのち、天に昇華していった
シンノンシュも気づいたのであろう、自分の『死』と、カイハーンとの永遠の別れを
頬を伝う涙を拭うことなく光となって消えていった

その涙が、カイハーンの足元に、一つの欠片となり残されたのである

それから数日が過ぎ
気落ちしているカイハーンの元へ リップが訪れた
「・・・貴女が気落ちする事はないわよ。彼も開拓者の一員、そうなる覚悟は出来ていたはずよ」
冷徹な言い方ではあるが、リップなりに最大限の気遣いでカイハーンを宥めようとしている

ふとカイハーンの手を見ると、何かが握られているではないか
「これは・・・?」
「シンノンシュが天に昇る時にその場に残っていた欠片よ・・・」

カイハーンから欠片を奪い、黙って見つめるリップ
数秒間の沈黙が過ぎたころ、静かに口を開くリップ

「ねぇ、カイ?」
「なあに?」
「貴女、これが何か知らずに持っていたの?」
「(´・ω`・)エッ?」
「これは、記憶の片鱗と言って、貴女の話が本当ならこれはシンノンシュの記憶が残されている物よ」
それを聞き、カイハーンは自分との会話が残っているのかも、と思い、再び涙を流した
「貴女、ヴァイロンの時計台の脇にある装置を見たことがある?」
「え?ええ・・・」

「だったら話は早いわ」
「ここからは、私の独り言よ 貴女がどう判断するか?自分で考えてちょうだい」
「(´・ω`・)エッ?」
「あのヴァイロンの装置はタイムパラドックス(以下TP)と言って、この欠片に残されている場面に入り込むことができるの」
「もしこの片鱗が本当にシンノンシュの物であれば、亡くなる直前の場面に貴女がいけるかもしれないの」
「寿命で亡くなった人の記憶には干渉できないけど、外的要因で亡くなった人の記憶には干渉できるかもしれない」
「私の言いたいことは解るわよね?」
「そう、シンノンシュが命を落とす前に貴女が行って、シンノンシュを助けることが出来ればシンノンシュを生き返らせることが出来るかもしれない」
「ただ、これだけは忘れないで欲しいの 貴女の行動一つで今の歴史が変わってしまうということを」
「それと、TPはとても危険な場所、一つ間違えば貴女そのものが消滅したり、それを回避できたとしても・・・」
「記憶から戻ってこれない可能性もあるわ」
黙って聞いていたカイハーンであったが、リップの話を聞き考え込んでいる
可能性があるのであれば行きたい、だが残される者の事を考えると軽々しく返事は出来ない
カイハーンが悩んでいると背後から
「可能性があるのなら行こう!カイは残される子供や僕の事を想って悩んでいるんでしょ?」
「でも今回だけは僕も付いてくよ!」
Tovarisch党の党首とは思えないビキの発言であった
この党首は党よりも妻であるカイハーンを選んだのだ。

その日の夜、
Tovarisch党に所属する家門の代表を集めTPに入る決意を伝えた
本来であれば、党首としての資質を疑われる決意であったが、ビキの熱意を感じた代表者達に
反対の意見はなかった。
反対どころか、TPに同行しようと考える家門が多くビキを驚かせた。

TP装置前
「気を付けるのよ カイ」
「ええ」
「これだけは守ってちょうだい。TPの中には今まで見たことのない生物がいるかもしれない」
「それはシンノンシュが生み出した生物、だけど、不必要な殺戮はやめてちょうだい」
「記憶が大きく変わると、シンノンシュの人格が変わってくる可能性もあるし、現世がどう変わるかわからないから」
「ええ、わかったわ」
見送りにきた皆に軽く微笑み、カイハーンはビキと共にTPに入った。
その瞬間、記憶の欠片が輝きだし、2人を光に包み込んだ。
輝きが納まるとすでに2人の姿は無くなっていた

TP内で気を失っていたカイハーンが目を覚まし、暗闇の中でビキを探そうと辺りを見渡していると、薄らと光る空間に映像が浮かび上がった
男性と女性の姿が見える
きっとシンノンシュの両親であろう二人は、笑顔でこちらを見、幸せそうであった。

火が回り、焼け落ちる建物
シンノンシュの鳴き声が響き渡る。
妻と子を守るために、自ら火に飛び込み命を落とした父
子が煙を吸わぬよう、シンノンシュの口に布を当てるのを優先し、自分は煙で命を落とした母
言葉は話せぬが、その両親を求め泣き叫ぶシンノンシュ
壮絶な生い立ちを垣間見、カイハーンの頬に涙が伝った

親戚筋に引き取られたシンノンシュは、学校にも行かず、靴磨きの仕事で生計を助けている。
とある日、チンピラに絡まれ、売り上げも奪われ、傷だらけで戻ったシンノンシュは叔母から声を掛けられる
「今日の売り上げをさっさとお出しッ」
「ごめんなさい 今日は無いです」
「嘘をおっしゃい!掠めるつもりかい!あんた!」
身ぐるみ剥がされて所持品を確認されるが、お金が見つからなかった
「売り上げもなくて食事が食べられるほど世の中は甘くないよッ」
そういった叔母は、木製の器にひとさじのスープを入れ、シンノンシュに投げつけた
もちろん、中身は全部こぼれている
シンノンシュは器を指で拭い、スープを舐めたが、空腹はいやされるはずがなかった。
「あんたを見てると、イライラするよ!あのバカな妹の子だと思うと余計にね!」
「さっとと寝な!」
そういわれたシンノンシュは家を出た、
家の裏にある、犬小屋のようなボロな木箱がシンノンシュの寝床であった
空腹のうえ、夜は冷えるから寝られるはずもない。
翌日、あまりの空腹に少しの売上をごまかし、街でパンを購入し、食べていたシンノンシュ
シンノンシュの身なり、匂いに店主は匂いが移るからと、販売用のパンは提供せず、
余り物のパンを投げ捨てるかのように提供した。
それを叔母の子供に見つかったのも気づかず家へ戻った
叔母とその子供達に詰問され、暴力も受けたシンノンシュ
「お前のようなゴミを置いておくわけにはいかない、すぐに出て行け!!」
身体一つで放り出された

飢えと寒さ、シンノンシュは生を受けたことを後悔し、絶望が希望を上回った今、命を絶とうと
港に足を進める。
空を見つめ、記憶にない両親の姿を思い浮かべながら涙し、
今にも海へ飛び込もうと、母なる海に抱きしめてもらおうと両手を開き身を投げ出したとき
「何しやがるんだッ!」
背後から男の声がしたかと思った瞬間、シンノンシュは襟首を掴まれ、後ろに放り投げられた
プロシア家のクルーズが瞬歩で駆け寄り、シンノンシュを助けたのであった

自分は勢いで海に落ちてしまったクルーズは濡れた衣類を絞りながら、シンノンシュに説教をしている。
理由を聞くクルーズにポツポツではあるが話し出すシンノンシュ
貧しくて借金があっても生きて行けることを諭すが、目が遠くを見ているクルーズ
クルーズはこの不安定な少年をカイハーンに会わせることにし、滞在先の宿泊宿に向かった。
事情を聞いたカイハーンはシンノンシュの髪を優しく撫でながら、下働きとして働くよう説得し、
生を受けたからには決して命を無駄にしないよう諭す。

白く、細い指で髪を撫でられたシンノンシュはカイハーンの優しさに母親を重ね
思わず抱きつき大粒の涙を流しながら泣いた。

シンノンシュがカイハーンを守る為の盾になりたいと打ち明けた頃の映像が流れだした時、ふいに映像が途絶えた。
それは記憶が失われたのではない、シンノンシュが意図的に止めたと思われる。
その直後、暗闇の奥からシンノンシュが歩いてきた。
「シ、シンノンシュ!?」
「どうしてここに来たの?」
「ここは危険な場所だから戻った方がいいよ」
その少年に向かってカイハーンが声を掛ける
「シンノンシュなのね?、さあ私と一緒に帰りましょ?」
「ここは僕が居ていい場所なんで、ここから出たくないんだ」

その言葉を聞いたシンノンシュはカイに背を向け走り出した
「シ、シンノンシュ!」
カイハーンも後を追おうと走り出す。
前方からビキが歩いてくる
「カイッ!」
「ハッ!!Σ(ll゚Д゚ノ)ノ ビキッ」
「シンノンシュを見ませんでしたか!?」
「シンノンシュを見なかった!?」
双方とも追ってきたシンノンシュを見逃してしまっていたのだ。

2人は互いに、シンノンシュの気配ではない物を感じとっていた、それも数を数えきれないほど多数である。
進む足を止め、警戒する2人
その正体はシンノンシュが生み出した現世への恨みのMOBである、がそれはシンノンシュそのものでもあった。
攻撃する度に、シンノンシュの苦しそうな声が聞こえる
「僕はここで静かに暮らしたいのに・・・どうして邪魔するの・・・うう」

その言葉にリップの言葉を思い出し攻撃を躊躇ったカイハーンであった、がそれが裏目にでた
MOBの攻撃がカイを襲う。
ビキが盾になるも怪我を負ってしまう
さらなる攻撃がビキを襲い
絶体絶命のピンチにカイはビキに駆け寄り、攻撃を受けようとした時、
「ちくしょう!!!」と叫びながら、MOBとカイの間に割って入るシンノンシュ
自らの分身であるMOBであったが、シンノンシュの心の迷いにより、暴走していたのであった。
シンノンシュ、肩口から腰までの深い傷をおう。
大量の鮮血、ビキも怪我をしているので、治療が間に合わない。
虫の息のシンノンシュ、ビキが復活、治療を施すが間に合わない
シンノンシュを膝に抱きかかえ、カイが涙している
シンノンシュ、
「(*´σー`)エヘヘ、やっと想いが叶ったよ・・・・もう思い残すことはない・・・ぜぇぜぇ」
「これで・・・苦しみから解放されるんだよね?・・・カイハーンさん・・・?」
「何を言ってるのシンノンシュ!苦しくてもこの世に生を受けたのだから、這いつくばっても生きなきゃダメなのよ!」
「僕は・・・この世に歓迎され・・・ない・・・人間な・・・んだ」
「ほら・・・僕が死ねばこの空間から解放されるんだから・・・そんな事を言わないで」
「あなたの死を望んでまで現世に戻ろうとは思わないわ!それはビキも同じ想いよ!」
「('-'*)(,_,*)('-'*)(,_,*) ウンウン」

カイの言葉を聞いたシンノンシュの頬に一筋の涙
もう言葉にならない状態で、唇がカイに告げる
「す・・きで・・・し・・・」

最後まで言い終わらぬうちに息を引き取ったシンノンシュ
シンノンシュの思念が二人に話しかける
「こんな僕を必要としてくれてありがとう・・・この空間が完全に崩壊する前にここから逃げて」
二人は光に包まれて意識を失った

二人はサヴォイア家の自室に運び込まれ 3日ほど眠っていた

カイハーンが目覚めた時には心配そうなリップの姿
「目覚めたのね カイ」
「TP内に精神だけ残されて目覚めないかと思ったわ・・・」
そういうと優しくカイの髪を撫でる

リップは何も聞き出そうとはしない。
そんな彼女の気持ちに感謝しつつ、落ち着いてきたとこでカイハーン自らが話だした

「やはりダメだったのね」
「残念だけど、仕方ないのよ。遅かれ早かれ人はいつか朽ちるもの・・・貴女も私もそう」
「あの子はそれが早かっただけ、あなたもビキも責任を感じる必要はないわ」
「悲しんでる暇があったら早く元気になりなさい」
「ああ、忘れてたわ。はいこれ。」
「TPに入った時から大事そうに握っていた、あの子の記憶の欠片」
「もうくすんでいてただの石になってるけど」
「ありがとう リップ」

それから数か月
平穏を取り戻した、ビキとカイはシンノンシュの最後の街になった雪原の街を再生させるため
党をあげてプロジェクトに参加していた。

いつまでも悲しんではいられないと、記憶の欠片は自室に置いたままである。
いつものようにマリーが掃除をしていると、どこからか音が聞こえる
まるで光が音を発しているような不思議な音であった。
マリーは不思議に思い、カイの部屋を覗き驚いた
記憶の欠片がまばゆく赤く輝き、音を出している
そしてそれは重力に逆らってるかのように宙に浮きはじめたではないか

「こ、これは(; ・`д・´)」

ほんの数秒だろう、記憶の欠片は輝きを失い、音を立てて砕け、室内に飛び散った。
その様子に驚いて悲鳴をあげたマリーであったが、気を取り直すと(# ̄З ̄) ブツブツ言いながら
欠片の掃除を始めたのであった。

*たまたま来ていたリップがマリーの悲鳴に駆け付け、事情を聞く
その詳細を元に、リップ、文献を読み直す
そこには衝撃の事実が(; ・`д・´)(; ・`д・´)ナ、ナンダッテー

雪原

「キャーッ」
戦場に少女の悲鳴
それに反応し駆け寄るカイハーンであったが、魔法詠唱が間に合わず、襲いかかるMOB達への対応が遅れた
そのとき、小屋の影から少年とおぼしき一つの影が飛び出しMOBを挑発した
「おらおら!お前の相手はこの俺だー!」
武器を持たず、その両腕にはしっかりと盾が握られていたが
恐怖のあまり、ガタガタと震えている。
その勇気ある少年の行動が生み出した数秒は、カイハーンの詠唱時間を稼ぐには十分であった。
詠唱が終わるとともに、カイハーンの腕から放たれた、雪原のMOBの天敵であるジズの咆哮により
MOBはケシズミと化した。

少年に駆け寄るカイハーンは
「貴方が生み出してくれた勇気ある数秒で助かりました。ありがとう。」
「でも貴方は開拓者ではありませんね?どうしてこんな無茶をしたのかしら?」
と、窘める様な口調で問いかけた。

人差し指で鼻の下を擦りながら、照れ笑いした少年は
「わかんない。でも、貴女を助けなきゃと思ったらこうなってたんだ。」
と真顔で答えた。

それを聞いたカイハーンはかの少年を思い出し、切ない気持ちになったが
「とにかくここは危険ですわ、二人とも私についてきてちょうだい」
と、二人をビキの元へ案内した。

腕を組んで仁王立ちしていたビキへカイハーンは事情を説明した
愛するカイハーンを危機から救ってくれた少年にビキは満面の笑顔を浮かべ
お礼を言った
「ところで君の名前は?どこかの党に所属してるのかな??」
同世代の少年に興味深々なビキは党首というよりも、転校生が入ってきたクラスの少年のようであった
その様子を微笑ましくみていたカイハーンは次に話される少年の言葉に驚きを隠せなかった。

「名前はない。家族もいない。」
「実は僕は何も覚えていないんだ!」

衝撃的な少年の言葉にビキとカイハーンは驚いたが、少し考えこんでいたビキが言葉を発した
「とりあえず、住む場所もないのであれば、僕の家に入ればいいよ。身寄りもいなく、住む場所もないのであれば
なおさらだ」

少年の顔に生きる喜びの炎がともった
「それと、名前がないと色々と不便だから今から君を"ちんのす"と呼ばせてもらうよ?いいね?」
****ウンボマによる命名 アビシニアでは○○の意味だ****
「はい!」

雪原でも作業もひと段落し、数名の開拓者が残ったが、サヴォイア家の主要人物はその場をあとにした。

数日が過ぎたサヴォイア家では、雪原から戻った者が各々の部屋で疲れを癒していた

ここはカイハーンの部屋
部屋にはカイハーンとちんのすの姿
ちんのすは開拓者見習いも兼ねて、カイハーンの身の回りの世話をしている。
カイハーンはその様子を見ながら、ちんのすの生い立ち等、今までどうやって過ごしてきたのかを質問していた。
だが、ちんのすの返事は的を得ない返事ばかりであった。
いままでの記憶がないというのはあながち偽りではなかったのだ。

そこにリップが割れた欠片を持ってカイハーンの部屋に訪れてきた
部屋にちんのすが居るのを横目で確認し、全体を舐めまわすような妖艶な目でちんのすに声を掛けた
「あなたがちんのすね 頑張って立派な開拓者になりなさい。困ったことがあればいつでも相談に乗るわよ」

「は、はい ありがとうございます!」

「ところで、カイ?この欠片が割れた理由がわかったわよ」
「(´・ω`・)エッ?」
「これが、記憶の欠片だというのは理解してるわよね?」
「ええ」
「これから私が話すのは、過去の遺産の書物に書かれていた内容だから、真実はわからないけど貴女には
話しておかなければと思って」
「書物にはこう書かれてたの」

"記憶という鎖に捕らわれし魂 その永劫なる呪縛から逃れようと不死鳥へ願う・・・"
"悲しき願いを聞き入れた不死鳥は自らを再生の炎と化し、捕らわれた魂を解放する"

「この書物に書かれていることを信じると、どこかでシンノンシュが生き返っている可能性があるってことよ!」
「ただ、都合のいい解釈だけどね・・・それにどんな状態で再生するのか、人間なのか、動物、草木・・・わからないわ」
「どんな形でもいいの シンノンシュが生きているなら、記憶も言葉もなくていても構わない」
「だってそうでしょ?私は彼を忘れたりしないわ」
そう言い終らぬうちに、ちんのすは掃除が終わり、部屋を出て行こうとドアへ歩き出した
そのちんのすがリップとカイハーンの傍を通過した時

割れた欠片がちんのすに反応し、赤く輝き始めた
それと同時にちんのすが頭を抱え、苦しそうな声をだした
「う、うううう・・・」

ちんのすの急変に驚いたリップとカイハーンが駆け寄り、心配そうに顔を覗き込む
カイハーンの手には記憶の欠片が握られている
目を開けていられないほどの輝きを放っているそれは、一つずつちんのすの中に取り込まれていった

「こ、これは!!?」

眩いばかりの光が収束し、目で周りを確認できるようになった、カイハーンとリップは俯せで倒れているちんのすを発見した。
慌てて駆け寄り、抱き起すカイハーン、頸動脈をそっと触り、口元に耳を近づけ、息をしていることを確認した。

「大丈夫、死んではいないわ」

そういうと、自分のベッドにちんのすを寝かせ、リップはジーンを呼びに部屋を出て行った。
カイハーンはちんのすの手を握り、心配そうに顔を覗き込んでいる。
どれくらい時間が起ったであろうか。
横たわっているちんのすが薄らと目をあけ、か細い声でカイハーンに何やら言った。
その言葉を聞き、驚いたカイハーンは声にもならぬ声で、涙を流し、ちんのすを力いっぱい抱きしめこう言った。

「おかえりなさい シンノンシュ」と。

そう
ちんのすはシンノンシュの転生した姿であった。が、記憶の欠片内に記憶を封印されていて全てを覚えていなかったのである。
欠片の中に封印された記憶、それを受け入れる為の器である身体、それが交わることで互いの存在を確認し、
ちんのすとして生きてきた間の記憶も残したままシンノンシュは再生したのであった。

抱き着くカイハーンの耳元でシンノンシュは囁く

「カイハーンさん、僕はこのまま ちんのすとしてこれからも生きていきます」

驚くカイハーン(; ・`ω・´)ナゼ!?

「僕は一度死んだ身です・・・ だからこのままちんのすとして、新しい人生を歩んでいきたいんです」
「貴女の騎士になりたいという思いはそのままで、これからはちんのすとして・・・・」


数か月経過

【サヴォイア家 中庭】
短剣ビキと、盾と長剣を持ったちんのすが対峙している
開拓者としての練習として、互いにいい練習相手にまで成長している。

だがまだまだ少年の二人は感情的になり、装備品に関係なく体当たり等を繰り返したりした。
そんな二人を微笑ましく見つめるカイハーンは両手をパンパンと叩き
「ほらほら、二人とも真面目に練習しないと、お昼ご飯は抜きになりますわよー」
といい、クスクスと笑いだした。

焦るちんのす、口を尖らせて抗議するビキ

カイハーンはその様子がおかしく涙を流して笑っていた。



fin

スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://spicaleo.blog95.fc2.com/tb.php/224-238f153c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。